まちづくり情報館の「人権の目」
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人権の目
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2019年02月28日 17:45
同和問題を正しく知るためすすんで学習しよう
                                        三木市人権教育指導員 山 本 和 民

 タイトル文は、総合隣保館の入り口の標柱に記されているものである。同和問題・人権問題を考えるとき、いつも思い浮かべている。
 昭和40年に「同和対策審議会」の答申が出され、「同和問題は人類普遍の原理である人間の自由と平等に関する問題であり、日本国憲法によって保障された基本的人権にかかわる課題である。したがって、審議会はこれを未解決に放置することは断じて許されないことであり、その早急な解決こそ国の責務であり、同時に国民的課題である。」とされた。以降同和問題の解決に取り組まれてから半世紀。多くの組織・人々が熱い思いで解決に取り組み成果を上げてきた。三木市においても平成28年に実施された市民意識実態調査からは、人権意識の高い市・市民という評価がなされている。そのスタートは、同和問題の解決をめざした学習・啓発の取組にある。
 しかし、同和問題の解決のための教育・啓発に関わっている一人として、気になる数字と傾向がある。それは、前述した平成28年の市民意識実態調査の結果に表れた数字である。「住民学習に参加したことがない」人が、50パーセントを超えること。そして、平成28年度の住民学習参加率が、7パーセントをわずかに上回る数字にとどまり、減少傾向にあることである。
 平成28年12月には、「部落差別解消推進法」が施行され、「現在もなお部落差別が存在する」と明記された。一例を挙げると前述の調査の中の「結婚」に関する項目では、平成18年度の部落差別に関する実態調査の結果とほぼ変わらないものとなり、「結婚」に関する差別はまだ残っているという課題が明らかになった。今一度、一人一人が同和問題について学び、正面から取り組まなければ現状を変えることは難しいと考える。
 では、解決に向けたアプローチとして、何を・どのように学んでいけばいいのか。タイトル文に戻って考えると、部落差別の形成について新しく解明された歴史を学ぶことは有意義と考える。30代半ば以上の人にとって、新しい「部落の歴史」を学ぶ機会は少なかったのではないだろうか。
 以前は、「江戸幕府による、士農工商(これもなかったことがわかっている)という身分の固定化と差別政策」が部落差別の起源であると考えられてきたが、解明された「新しい部落史」では、中世(鎌倉・室町時代)の人々の「けがれ」観に基づく差別意識が民衆の中に広まり、疎外による差別が社会的に形成されたとされている。明治以降には、疎外・排除による差別に経済的な格差が加わり、人々の被差別部落への差別意識は強くなったと考えられている。
 また、歴史的な背景に加え、差別を受けてきた人々が歴史に残した業績や、それぞれの時代の本当の暮らしぶりについても正しく学びたい。フィールドワークで五感を駆使する学習も有効である。そして、部落差別が今日まで残ってきた要因を考え、私たちの生活に存在する「けがれ」意識に基づく不条理な慣習を見直すことが大切であると考える。さらには、障がい者・高齢者・女性・外国人などの人権課題を疎外・排除・格差の視点を持って考えることも大切である。
 同和問題の解決への新しい一歩を踏み出すことが、一人一人が尊重される社会の実現にとって大きなスタートになるものと信じている。

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