まちづくり情報館の「男女共同参画の視点から考える災害」
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男女共同参画の視点から考える災害
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2017年07月27日 09:21
 「ここには人権というものがないのか。」東日本大震災から1カ月後、ある避難所を訪れた県職員の言葉です。多くの人々が共同生活をする中、基本的なプライバシーはなく、トイレへ行くにも不安を感じるような日々がそこでは続いていました。
 大規模な災害時、多くの人々は命が助かったのだからと様々な困難に対して、我慢をしなければという雰囲気に包まれます。それは他人を思いやる日本人の良いところでもあるでしょう。しかし、様々な事情を抱え、我慢に耐えられる状況の人とそうでない人たちがいます。残念ながら現在の避難所は健康で、その過酷な状況に耐えうる人のみが過ごせる場所となっているように思えてなりません。しかし、人が一人一人違うように、災害時どのようなケアが必要かは一人一人違います。 
 例えば、災害時に「男」と「女」では必要とすることが違い、それぞれの視点も異なります。避難所のリーダーの多くが男性であるため、男性目線だけで避難所が運営をされていることは一般的に多くあります。しかし、災害時はトイレや洗濯、物資の配給、性犯罪被害の抑止のための対策など様々なことで男性と女性両方の視点を交えて対処していかねばならないことがあります。それを「女なので、食事と掃除」というふうに対応していると最初は頑張れていた女性たちにも不満が募っていったという事例が、東日本大震災後の避難所運営で多く聞かれました。2016年に発生した熊本地震ではプライバシーの問題など繰り返された課題はありますが、なかには男性女性ともに炊き出しに従事したり、乳幼児世帯の専用スペースを設けたりなど好事例も聞こえてきます。
 すべての都道府県、市町村にはそれぞれの地域の特性にあわせた地域防災計画が作成されています。東日本大震災以降多くの自治体で地域防災計画が改訂され、男女共同参画の視点が以前より入るようになりました。三木市がその中でも全国的に評価される女性の視点を取り入れた地域防災計画とその関連計画を作成していることはご存知でしょうか。また女性に限定した公募委員を防災会議委員に任命するという取り組みをしているのは三木市のみです。しかし、どんなに素晴らしい計画があったとしても、これを活用できなければ意味がありません。平常時にやっていないことは災害時には決してできないのです。 
 それぞれの地域で、自主防災組織の活動を知ったり、参加をしてみたりする中で、活動に男女共同参画の視点は入っているだろうかと皆で話し合ってみることが大切です。そして、可能であれば自分たちの地域のことは自分たちで守るという想いで、災害時の計画や避難所運営について話し合ってみてください。それらは平常時のまちづくりを考える上で、決して無駄にはなりません。また上述したように、三木市は女性の公募委員が防災会議に入る機会も作られています。誰かがやってくれるのを待っていては、何も変わらないかもしれません。災害はいつどこで起こるかはわかりません。せっかく助かった命を、避難所で危険にさらされないように、そして、すべての人の人権が守られる支援が受けられるように備えていきたいですね。

くらし研究所ままどころ代表  斉藤容子

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