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人権は「接する人は、お客さま」から始まる
2018年01月30日 09:44
●人を愛するコミュニケーション
 この言葉の背景には、自分たちが接する人たちは、すべて「お客さま」と同じという意味がある。常に相手の立場に立って、相手を思いやることで、相手も自分のことを理解してくれるようになる。
 これができれば「ありがとう」と心から思えるようになり、相手もそれを感じて「ありがとう」と思ってくれる。お互いに感謝の気持ちをもつことができれば、ホスピタリティ(思いやり)の心は通じたということだ。
 企業ではお客さまに嫌われれば売り上げは下がり、逆に喜ばれれば、口コミでお客さまが増えていく。会社の中も同じだ。仲間から慕われ、喜ばれることで仕事はうまくいき、「あいつはダメだ」と思われれば自分の仕事は何一つ成り立たない。
 部下や同僚など、自分が「接する人は、お客さま」と考えれば、セクシャル・ハラスメントやパワーハラスメント、いじめや差別など起きるはずがない。
 これは、企業だけではない。学校や病院、行政など、人と人が接する仕事にはどの組織でもこの気持ちが生かされると、組織の内外から高く評価されるようになる。
●ノーと言わない行政、「すぐやる課」の設置
 お客さまの要望に応えることが最善のサービスになるというのは、行政も同じこと。市民をお客さまとして考え、市民の満足をめざして取り組んだ行政の活動を紹介したい。
 千葉県松戸市では、1969年(昭和44年)に市長が「すぐやる課」を設置して話題になった。なんと今からさかのぼること約半世紀も前に起きたことだ。その市長こそ、あのドラッグストア「マツモトキヨシ」の創始者、松本清氏(以後、松本)である。創業者の名前そのものが店名になったことでも有名な店だ。
 その昔、公務員は「休まず、遅れず、働かず」がよい職員と揶揄された時代があった。今でも夕方5時の定時にはきちっと窓口を閉めてしまうお役所が多いが、多くの会社では考えられないことである(働き方改革や、ワークライフバランスの精神からすれば、これが本当なのだが……)。
 ある窓口では市民が列をなして混雑しているのに、隣の窓口の担当者は「それは、私の仕事ではありません」という言葉そのものの対応だった。
 そうした状況に業を煮やしていた松本が、市民へのサービスとして「市役所は、市民に役立つ所、市民にとって役に立つ人がいる所」という考えのもとでつくったのが「すぐやる課」なのである。市役所としては日本初の「クイックレスポンス(素早い対応)」部門の誕生だ。
 この課の基本的なポリシーは、「何でも相談に乗る、ノーと言わないこと」だった。公務員には、公僕という言葉がある。公務員は市民に奉仕をすることが最大の仕事であり、義務であるという意味。彼らの給料は市民の税金から出ているという意識だ。
●ホスピタリティ(おもてなし)にあふれる組織
 そう考えると、役所にとってサービスすべきは市民であり、決して自分の上司ではないはず。一般企業でいえば、市役所のお客さまは市民である。市民のニーズに応え、喜びをめざすことができれば、市民の満足につながり、素晴らしい市役所として市民から愛されることにもつながるだろう。すぐやる課の発想は、歴史は古いが、今でも十分に活用できるものである。
 「接する相手」をお客さまとするか、部下や仲間たちとするか、それとも市民(行政)、患者(病院)とするかなどなど、それぞれの仕事を思いながら考えてほしい。
 その先には、ホスピタリティにあふれる組織が待っている。

駿河台大学経済経営学部教授 水尾順一

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人権は「接する人は、お客さま」から始まる - 18/01/30 09:44 (三木市広報広聴課)